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2017年5月19日

ユニークな会社の原点は寮生活にあった!

株式会社ウィルフォワード代表 成瀬拓也さん

様々な企業のWEBマーケティングやコンサルティング等を手掛ける
株式会社ウィルフォワードには、ユニークな社内制度や風土がたくさんあります。
 
・オフィスは一軒家
・毎週月曜日の夜は、社員皆でごはんを一緒につくって食べる
・自分の給料は自分で決める
・会社に出社義務はなくどこで働いてもよい
・誰もが決済の権限をもっている                    …など。
「働き方改革」が注目されるずっと前より、独自の価値観を大事にしながら新しい会社の あり方をつくり続けている株式会社ウィルフォワードを率いるのは、代表の成瀬拓也さん。
 
今回は、代表の成瀬さんがこのような会社をつくったきっかけを、
成瀬さんが学生時代に経験した寮生活からひも解いてみました。
 

箱根駅伝出場を目指して筑波大学へ

私は、筑波大学の陸上部の寮に5年間入っていました。最初の4年間は主力選手が入る14名の寮。大学院生になってからはもう一つの寮(7名)に移りました。寮といっても普通のアパートで、部活が寮として借り上げている建物です。
 
当時の目標は箱根駅伝に出ることでした。
強豪校に入るよりも、食事やトレーニングについて学びながら箱根駅伝を目指したいという思いから、筑波大学の体育専門学群を選びました。筑波大は、自身が入学する4年前まで
箱根駅伝への出場実績もあったので、いけるという思いがあったのですが、入学してみるとそれは想像していた以上に高いハードルでした。
そのため、とにかく「速い選手を集めよう」と、様々な高校の選手に手紙を出して勝手に
筑波大の陸上部にスカウトする活動を始めました。
そうやって集まったメンバーですが、「箱根駅伝に出る」という共通の目標はあるものの 性格は様々で、当然気の合わない仲間もいます。
 

チームワークの鍵は「一緒にごはんを食べること」

そこで大切にしていたことが「一緒にごはんを食べること」でした。
もともと体育会では、先輩が後輩の食事の面倒をみる、という風土があります。
練習中は先輩から厳しく叱られても一緒に食事をするとチャラになる、というような。  
しかし実際に毎回外で食事をおごるのは大変なので、寮で食事を作り一緒に食べるようにしていきました。
また、駅伝は自分だけが速くなっても仕方がないので、健康管理や食事に関しては
メンバーに厳しく要求していたのもあります。食事をおろそかにしているメンバーには
「そんなものを食べて、強くなる気があるのか!」と怒ったこともあります。
 
特にチームの変化を感じたのは、大学院生になって移った寮ですね。
大学院で寮を移ったのは、主力メンバーのチームづくりを後輩に譲るために、最初の寮を
出たほうがいいと感じたからです。
移った寮は、部内でも主力でないメンバーが中心に生活していたため、当然皆のモチベーションも違います。こちらは皆で集まる空間もなく、普通のアパート暮らしをしているような雰囲気でした。
 
そこで、自分の部屋の隣のスペースを改造し、皆で集まれる食堂のようなスペースに変えました。夕飯はほぼ毎回自分が作り、メンバーに声をかけ一緒に食事をするようにしていきました。朝ごはんは、せっかくなら当番制の方が楽しいからと、週に1回ずつの当番制に。

 後輩の成長にこだわった大学院生時代

一番の変化はコミュニケーションが増えたことです。「成瀬さん、ちょっといいですか?」とわざわざ声をかけるのは大変ですが、食事の時間であれば気軽に相談ができます。
また朝ごはんの後に、皆で体重管理や練習メニューのチェックをして、部活への
モチベーションを高めたり、一緒にテレビをみてのんびり過ごしたりもしました。
 
特に気にかけていたのは、一番走りの遅かったKくんです。
練習でグラウンドを何周も走る、というメニューがあるのですが、遅いメンバーは途中からついていけなくなってしまいます。Kくんには「お前が10周しか走れなかったところを
11周走れるようになったら、その次に遅いやつが12周走ろうとする。そうするとまた次のやつが触発されて、最終的には一番速いやつにまで影響を与える。ドミノは最初の一つを倒さないと全部倒れない。チームの意識のドミノを変えるのはお前だよ」と伝えてきました。私の卒業後ではありますが、最終的に彼はレギュラーになりました。
 

理想の会社を目指したら、寮の経験がベースになっていた

寮生活の経験は間違いなく今の会社づくりにつながっていると思います。
ウィルフォワードの社員に会社について聞いたら、「キッチンがあって、皆で一緒にごはんを食べる場所」と答えるのではないかと思うぐらい、ともに食事をすることは大事にしています。(※詳細はオナカマ理論参照)
最初からそういう会社を目指していたというよりも、少しずつ理想の状態に近づけていった時に、気づいたら寮の経験がベースになっていた、という感じでしょうか。

ビッグな会社になるより、ユニークな会社でありたい

会社としては「人を育てること」と「ユニークな会社をつくること」という2つの軸を持っています。もともと起業する際に、単純に売り上げを上げるだけならば、それほど難しいことではないと前職時代の経験から感じていたんですね。
そのため「株式会社ウィルフォワード」として売り上げを伸ばすことにはあまり興味がなくて、「ウィルフォワード」という概念や思いでつながった人を大事にしたい、と思ってきました。北海道で知事になりたいというメンバーを北海道に送り出し、海外で仕事したいというメンバーをタイに送り出し、家業を継ぎたいというメンバーも送り出し。
 
会社の売り上げだけを考えると主力メンバーが抜けることは痛手ですが、「お兄ちゃんが行きたいと言っているから、みんなで応援しようよ。次男も三男も成長してきたから大丈夫だよ。」という雰囲気です。不思議なことに、そういう中核のメンバーが抜けるタイミングでも売り上げは伸びています。
 
もともと、ウィルフォワードという社名は映画の『ペイ・フォワード』から発想しました。自分が関わりをもった人がまた関わりをもった人を変えていく。ウィルフォワードが頂点に立つのではなく、身近な人たちにいい影響を与えていければ、世の中を変えていけるのではないか、そう思っています。
これからもビッグな会社になるより、ユニークな会社でありたいですね。
 

社会に出る前だからこそ得られる価値がある

寮生活には「いろんな人がいる、という環境から逃れられない」という良さがあります。好きな人ばかりではない中で、相手を否定するのではなく理解しようとして歩み寄り、互いを尊重しあえる適切な距離を見つける。居心地の悪さも含めて大切な経験だと思います。
社会人になると、人間関係においても「大人の割り切り」をしてしまう場面がありますが、そうなる前の学生時代に、寮生活を通じて葛藤も含めいろんな経験ができることはとても
貴重な期間だと思います。
 

【成瀬拓也さんプロフィール】
1980年北海道札幌市生まれ。筑波大学体育専門学群出身。アチーブメント株式会社に新卒で入社。当時無名だった社員26名だった企業で営業・新規事業を経て人事採用担当へ異動。全国の大学や学生団体などでセミナーや講演を実施し、広告を使わずに口コミだけで8,000名以上の大学生のエントリーを集め、入社したい企業ランキング25位に載る企業にする。2011年8月に株式会社ウィルフォワードを設立。既存の管理型組織運営とは大きく異なる組織づくりを行っている。また個人での講演会活動や母校、筑波大学では起業家育成の授業で起業家として登壇しキャリア支援の授業を行うなど、幅広い活動を展開中。
 
【株式会社ウィルフォワード】
 

【編集後記】
実は取材当日も、成瀬さんの美味しい手料理をランチでごちそうになりました。
みんなで食卓を囲んでいろんな話をざっくばらんにしていると、確かに「取材する側」「取材される側」の関係をこえて、仲間になったようなあたたかい気持ちになりました。
そして、寮経験が今の会社づくりにつながっているとお聞きでき、教育寮に携わる者として改めて寮の可能性を感じる機会にもなりました。
ここには書ききれなかった素敵なお話がまだまだたくさんあるので、皆さんもウィルフォワードのサイトをぜひのぞいてみてください。(教育寮オープンラボ事務局 金恵栄)

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