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2016年12月5日

【海外×学生インタビュー】ハーバード大学寮―学生が寮で作る「キャンパスライフ」

「寮生活は一番の学びの場」、そう推奨するハーバード大学。現在在学中の大柴行人くん(Class of 2018)に彼自身の寮生活について紹介してもらいました。

密な寮生同士のコミュニティつくりは2年生から


ハーバードの寮には、ほとんどの学生が入寮します。入寮していない学生は、休学をしていたりカップルで近くのアパートに同棲していたりしています。

新入生は大学のキャンパス内に何棟かある「一年生寮」に入寮します。そこでまず友達を作ったりみんなで一緒に食事をして、心細さを解消するんですよね。

そして、2年生になってからキャンパス外の住宅地に囲まれた、わりと落ち着いた雰囲気の場所にある「上級生寮」に移ります。もっとも離れた寮同士の距離は徒歩30分ほど。遠すぎてシャトルバスで移動する寮もあります。

その「上級生寮」への振り分けは「ハウジング・デー(Housing Day)」という日に決定します。

1学年が1,600人ぐらいいるのですが、その学生たちが、13のハウスに振り分けられるんです。
ハリー・ポッターの組み分け帽子のようなイメージですね。
各寮に振り分けられた寮の決定通知を、その寮に住む先輩が持って「一年生寮」にいる後輩の部屋に押しかけて、渡してくれるんです。
結局1つのハウスには百数十人が集まるので、顔は大体全員知っていました。仲良くつるむのはそのなかの1/3ぐらいですね。

寮の特徴は「寮に住む人たち」が作り上げる


メインキャンパスから遠いところにある寮はごはんがおいしかったり、部屋がシングル部屋になっていたり。一方で近い寮は2人部屋の2段ベッドなんてこともあって、寮の環境そのものにも特徴があったりします。僕の周りでも、そうした面で希望が通らず凹んでいる同級生がいました。

ただ、すでに寮に住んでいる先輩たちの特徴や、寮の伝統的な文化に合わせて学生を振り分ける、ということは大学側は考えてないと思います。だから、「スポーツに強い寮」というような、スポーツが得意な人たちが集まることはありません。元々あった評判から、結果的にその寮の学生の意識が高まって、強くなる、ということがあるくらいです。

マスターと呼んでいる、寮長・寮母さんも、寮によって対応が全然違います。夏休みなどの長期休みの時期は、基本アメリカ人は実家に帰るのですが、留学生は実家が国外だったりするので、そのまま寮に残ることが多いんです。そういう時に、ハウスマスターの人が僕たちに食料を残しておいてくれたりするんです。ハウスマスターが教授でもあったりすると、自分の寮でオフィスアワー(Office Hour)と呼ばれる勉強会を開催してくれたりもします。

全寮に共通することがあるとすれば、ぞれぞれの寮に図書館があって、基本的に鍵が開いてるのでほぼ24時間使えることです。ただ、ほとんど自習スペースとしてしか使わないですね。
ほかの大学図書館と同じですよね。ちなみに僕は専攻的に図書館を使わないので行かないです。でも一方で、同じく24時間あいている食堂には、みんな行くんです。僕も、ちょっとがやがやした雰囲気が好きで食堂を使います。録画された授業を他の受講生と一緒に食堂で見たり、勉強したり。少し賑やかではありますが、ひどいときは12時間食堂にいることもあります。

ハーバードの寮は閉鎖的というわけではないのですが、守られている、静かに住むという感覚になるというか、寮に住んでいる教授以外はほとんど外から人が来ないんです。だからこそ、自分たちで寮生活やその寮の文化を作り上げることが出来るんだと思います。だからなのか、あまり他の大学の学生と関わることとかもないんですよね。

学歴社会なので他校の学生を見下す傾向があるので、会うことがあったとしてもMIT(マサチューセッツ工科大学)ぐらいで、ボストン市内の学生と接することはあまりないです。あ、でも、近くの女子大の学生と付き合ってる人がいる、といった話は聞いたことがあります。(笑)

 

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(一番右が大柴君)

 学年を追うごとに学生主体になっていく寮内イベント


一年生寮で開催されたイベントは、全体的に学生生活をサポートしてくれるものが多かった印象があります。

寮ごとのまとまりがないんで、基本的に全体で行動するのですが、週に1回、同じ棟の10~20人でパーティーがあるんです。博士課程の学生などがその棟の管理人になってくれていて、週に1回メンターとしてスタディー・ブレイクというお菓子をつまみながら勉強や雑談をする会を開催してくれたり、学期に1回は授業の計画や生活面の相談に乗ってくれたりします。「履修登録のサポート」みたいなテーマが設定されて、皆で相談会を開いたこともありました。

2年生になってからは、「大人びた」イベントが多いイメージです。アルコールを寮から提供されるパーティーもあります。楽しくしゃべる社交的なものが学期に3,4回あるような形です。スポーツ対抗戦に関しては、日本の早慶戦みたいに一気に盛り上がるより、ずっと長期的に応援しているんですよね。スケジュールが把握できていないのですが、毎月違うゲームを行っています。そのスケジュールは食堂のホワイトボードに書いてあって。有志で参加することができます。USオープンの決勝のようなプロスポーツをパーティールームで一緒に観戦することもありますね。学生が主体的に企画をしている。僕は勉強会のほうによく参加していますが…。

 

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(寮内で開催されるパーティの様子)

学業のために必要不可欠な環境である「寮」


高校時代に日本で電車通学をしていた僕にとって、通学時間がない寮生活は実利的なことですが一番うれしいことでした。寮の中にはジムも食堂もあり、移動に費やす時間が減ったおかげで、友達に会いに行ったり、イベントやオフィスアワーに参加できました。

日本の大学に通う友達が高校の友達との関係のほうが密だと話しているんですが、寮の友達とは圧倒的に親しくなるし、関係も濃いとおもいます。

ただ、僕は、生活だけではなくて、勉強をしているときに、一番寮に住んでいることのありがたさを感じました。大学の宿題や課題は本当にきついし、ハーバードの学生は追い込むことが好きな人が多いんです。だから徹夜になったり、苦しくなることもあるんですけど、すぐ隣にいるから助け合えるんです。

大学2年になると、寮外の自分の専攻に近い教授の方がアドバイザーとして学生たちについてくれるのですが、忙しいのでめったに会えないんです。そんなときはオフィスアワーで大学院生や大学の上級生が助けてくれます。彼らもすぐ隣の寮に住んでいるので、遅い時間まで付き合ってくれるんです。同じ寮の仲間とは明け方までいろいろなことで語り合ったりすることもあります。

寮生活がないハーバード生の課題に取り組む環境って、ものすごい孤独感に襲われると思うんです。だから、本当に寮の「近さ」と「仲間」は課題でおしつぶされそうになる僕たちの心の支えになるんです。

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(ハードな課題が多いハーバード生の、とある寮内風景)

寮生活は学生が作り上げる


「教授よりも友達からのほうが得られる学びは多い」とよく聞きます。始業式のスピーチなどで大学側からも離されるくらいですし、私もそう思います。たしかにイベントの企画は学生がするし、教授もあまり来ないですし。

日本の学校は、先生の目を気にしすぎてあまりやらないほうがいいのかな、という空気があるイメージ。ハーバードは学生を自由にさせているから、皆企画できるのかもしれないです。

学生同士が心の支えになるような関係性があって、共に学び合って日々の寮での生活を楽しもうという姿勢があるからこそ、学生生活がとても充実しているんだと思います。

oshibaprofile【プロフィール】

大柴 行人(おおしば こうじん)。

父の仕事により小学校3~6年の3年間をカナダのモントレオールで過ごす。
現地の学校に通学し、帰国後開成高校に進学。高校2年生の時に参加したディベート大会をきっかけに外国や海外に出ることに興味を持つ。
その夏に先輩の紹介で参加したサマースクールをきっかけに海外の大学の進学を具体的に知ることになり、その後、海外大学の受験に備えて英語や自己PRを猛勉強。自分を売り込むことの大切さを感じる。
無事ハーバード大学に合格・入学し、現在はComputer Scienceを専攻する。夏休みにサンフランシスコでテクノロジー系の会社でインターンをするなど様々な活動に関わる。今年秋から大学を休学し、シリコンバレーで起業にチャレンジ中。

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